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和太鼓たて打ち基本②撥捌き
- 2017/10/10
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撥の種類
太鼓屋さんの場合は様々な種類
教室の場合は各指導者の方の指導法に沿った撥を紹介をなさってると思います。
打つ太鼓の種類や演目や演出によって撥も変わってきますが
ここでは
長胴太鼓(宮太鼓)の
ミドルサイズ
1尺~1尺6寸を打つ前提で撥の紹介させていただきます。
ほかの撥については幾つかの打法や太鼓の種類に準じてご紹介させていただきます。
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撥の材質は
材質 |
特徴 |
樫(かし) |
重い 堅い |
楓(かえで) |
やや堅い |
朴(ほう) |
やや柔らかい |
檜(ひのき) |
柔らかい |
他にも樺(かば)竹、などたくさん種類がありますが
長胴太鼓は文字通り胴が長く
ド~~~~~ンと
裏面までしっかりと
打ち抜くにはある程度重さが要です。
全身を使って打ったり
カラカラと堅い材質の淵(ふち)を使用しますので
柔らかい素材はスグに折れてしまいます。
耐久性と打ち抜く事を考慮して
夢アカデミーでの教材としては
樫バチをおススメさせていただいております。
~樫バチの耐久性~
稽古数や使用頻度にもよりますが
初級者ですと1年~3年
上級者でも2か月から6か月くらいは
おもいきり打っても折れつらいです。
~取り扱い上の注意点~
太鼓の撥 特に樫バチは
堅くて重いので下手な刃物より切れ味のあり(むやみに振りまわして額など当たるとパクっと切れます)
鉄より強固な凶器にもなりますので
取り扱いには充分注意が必要です。
講師や指導者の言うことをよく守って
間違っても人に向けて振り回したり
ドラムなどの楽器に使用したり
壁や床など太鼓以外のものには絶対に使用しないことを
お願いしております。
樫撥サイズの目安
無理と負荷の無いように適したサイズをおススメしています。
メーカーによって若干の違いがございますが
目安年齢 |
目安サイズ |
幼児4歳~6歳まで |
直径約2,1㎝ 長さ約33㎝ |
小学生1年生~5年生くらいまで |
直径約2,1㎝ 長さ約38㎝ |
小学生6年生以上、成人女性 |
直径約2,1㎝ 長さ約40㎝ |
中学生以上、 成人女性 |
直径約2,4㎝ 長さ約42㎝ |
一例として稽古用の撥としては一定の強度と品質
コスパの良い諏訪工芸さんの撥をご紹介させていただきます。
太さ2.0cm 長さ30cm~38cm |
太さ 2.5cm × 長さ 36cm~40cm |
太さ 2.5cm × 長さ 42cm |
撥の持ち方
先端から指2本程度 間隔をあけて持ちます。
撥捌きについて
撥捌きは太鼓を打つ前の第一歩
非常に重要なポイントです。
身体に負担なく良い音を出すために
①テコの原理、②慣性の法則を使用して
撥をしならせて行きます。
①【テコの原理】※引用①
資料引用サイト様:小中学生のための学習教材の部屋様
http://www7a.biglobe.ne.jp/~gakusyuu/kagakusya/arukimedesu.htm
テコの原理を撥と身体の関係性に置き換えると
図の石が撥 図の棒は腕にあたります。
作用点は撥本体
視点は撥と手のひらの接点
力点は腕の付け根に行くほど小さな力で大きな運動量となり
具体的には
指先 運動量小→前腕 運動量:中 →二の腕 運動量:大
本教材においては撥に対して楽に大きな運動量を伝えるために
二の腕が要と考えます。
ドラムの技術としてはリストショットやフィンガーショットといったテクニックも存在しますが和太鼓の樫バチは重いので手首や腕の筋を痛めることがあり腱鞘炎などになると治療に時間を要します。
二の腕は筋肉で形成されているため筋肉痛になることはありますが
身体って本当に良くできていて順応して
必要な筋肉を形成してくれます。
慣性の法則と皮の弾力と惰性の関係性
慣性の法則※引用②
物体にはそのときの運動状態を保とうとする性質があると考えられています。
動いている物体はそのままの運動を続けるし、
静止している物体は静止したままの状態を続けるということです。
この性質を「慣性」といいます。
物体は外部から力がはたらかない限りそのままの運動状態を続けるということです。
ただし、外部から力がはたかないというのは、見かけ上力がはたらいていない場合も含みます。
別の言い方をすれば、外部からの力がつり合っている(合力の大きさが0)場合も状態は変わりません。
この外部から力がはたらかないとき、
静止している物体はいつまでも静止を続け、運動している物体は等速直線運動を続ける。
これを「慣性の法則」といいます。
https://fromhimuka.com/chemistry/3286.html
電車が発進すると電車は前に進み
人の身体は進行方向とは反対に倒れます。
これは電車と接地している足は電車と同じ方向に進みますが
身体は止まった状態を保とうとします。
車が急停車したり事故ると車外に放りだされるのも
この慣性の法則で大怪我を防ぐためにシートベルトを着用するわけですが
これを撥と腕と手のひらの関係に置き換えると
撥に慣性を働かせるには
撥を固定しない、
手のひらの中に遊びをつくってあげなければいけません。
手のひらにあそびがある状態となると
腕をあげると撥は下がり
腕を下げると撥は上がろうとします。
これが撥捌き、撥のしなりです。
このしなりを惰性
惰性と慣性は同義語でもありますが
慣性、惰性は撥捌きにおいては
撥に対してすなわち余計な力、握りしめたり必要以上に固定
負荷のかかっていない自然な状態であるといえます。
良く無駄のない自然な動きに対して〇〇が体の一部のようだと表現されますが
自然な動きは手首や小手先に頼らず
テコの原理で最小限の腕の操作で腕の角度は変わらずに惰性で撥だけがしなるのが理想です。
撥が惰性で動いていくために太鼓の持つ弾力(撥の衝撃によって太鼓の皮がもとの状態に戻ろうとする慣性の法則といえますが)
物質には皮のような柔らかい材質も
淵のような堅い物質にも弾力 張力が働いています。
力を入れて撥を握り締めるとこの弾力を殺してしまい
減速して仕事量が半減します。
また手首や筋にかかる負荷や摩擦が大きくなり豆が出来たり筋を痛めてしまいます。
撥の持つ響きもなくなります。
撥を包み込むように持って
撥との接点となる手のひらの中をいかに遊びを作って惰性で
テコの原理で最小限で最大限の運動量
円滑な仕事環境を作るかが要です。
人差し指側を使った撥捌き |
主に細かい音や早く刻む音を出す時に持ちます。 支点を人差し指と親指の第一関節で軽く挟み 力点を腕をあげると撥が下がる 腕をさげると撥が上がる 具合に撥がしなるようにします。 |
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親指側を使った撥捌き |
ドン、ドコドコと 太くて大きな音を出したいときに用います。 親指の付け根 腕の方に腕と並行になるくらいまで 撥がしなるようにします。 |
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指全体を使った撥捌き |
撥の軌道が弧を描いてフリもきれいに大きくダイナミックに打ちたいときに用います。 人差し指側と親指側を交互に練習して 一連の流れで全体的にしなるようにすると良いです。 |
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学生さんはリアルタイムで社会人の方は学生の頃、良く鉛筆やボールペンなんかをクネクネゆらして遊んだ記憶があると思います。
ボールペンをクルクル回転させるのも流行ったと思いますが
撥がローリングしないようにするのがポイントです。
撥が重く普段日常でなかなか使わないので
最初はうまくバチがしなってくれませんが
慣性の法則が働くようになれば後は
ちょっとした空き時間に30秒でも1分でもストレッチのように
やってると段々動くようになってきます。
指先は末端神経が集中してますので使用すると
身体の発達や成長を助けてボケ防止や脳トレ効果も見込めますので
是非チャレンジしてみてください。
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